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 輸送には、自動車のほか、鉄道、飛行機、船舶などの手段があり、それぞれが長所と短所を持ちながら成立しています。
 その上で、輸送コストや、質、需要と供給の関係、などによって、適切な手段が選択されることになります。

 自動車輸送に関しては、機動性、経済性、柔軟性の面において、それぞれ特徴があるといえるでしょう。
 すなわち、全国に敷かれた道路網によって、道路さえあれば自動車は全国どこへでも行くことができ、戸から戸への直接輸送が可能であるという機動性を備えていますし、大型化には限界があるものの、少量の貨物、少数の旅客を多くの頻度で輸送しなければならない場合に経済効率が高いという経済性もあり、さらに特殊な車両を除いて運転者も車両の種類、数も豊富のため、容易に依頼が可能であるという柔軟性も備えているのです。

 こうした輸送サービスに対しては、安全性、正確性、迅速性、経済性、利便性、快適性、低公害性、などの様々な性質が求められることになりますが、中でも最も重要視されるべきは安全性です。
 旅客・貨物を問わず、輸送の大前提として、安全であること、が挙げられ、様々な形で安全のための取り組みが行われています。

 自動車運送事業では、運行管理者という制度を置き、安全な運行管理が行われるように努めています。
 この運行管理者の役割は、自動車輸送の安全運行の確保と交通事故の防止を図ること、とされており、事業者に対して、規模に応じて適切な人数を配置するよう法律で定められています。
 運行管理者には、事業者に代わって運行の安全確保に関する業務を行い、事故を防止する使命と責任が課せられているといえるでしょう。

 国の定める運輸安全マネジメントの法体系は、以下のようになっています。

運輸安全マネジメントに係る法体系
旅客自動車関係(バス・ハイタク) 貨物自動車関係(トラック)
法律 道路運送法 貨物自動車運送事業法
省令 旅客自動車運送事業運輸規則 貨物自動車運送事業輸送安全規則
告示 旅客自動車運送事業に係る安全マネジメントに関する指針 貨物自動車運送事業に係る安全マネジメントに関する指針
旅客自動車運送事業者が従業員に対して指導及び監督を行うために講じるべき措置 貨物自動車運送事業者が従業員に対して指導及び監督を行うために講じるべき措置
旅客自動車運送事業者が公表すべき輸送の安全に係る事項 貨物自動車運送事業者が公表すべき輸送の安全に係る事項
通達 自動車運送事業者における運輸安全マネジメント等の実施について

 最近は、大きな事故の発生などにより自動車運送事業について規制が強まっておりますので、法令改正等の動きには注意したいと思っています。

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 学校の先生、と一口に言っても、実は法律的にはいろいろな種類の先生がいるのです。
 今回は小学校のケースを例に、校長、教頭、副校長について少しご紹介したいと思います。

 まず、学校教育法37条において、学校に置かれる教職員について定められています。
 これによれば、小学校には次の職員がいます。

 校長、教頭、教諭、養護教諭、事務職員

 これらは原則として必ず置かなければなりません(特別の事情があるときは、教頭と事務職員は置かないことができる)。

 また、「置くことができる」という職員もあります。次の方々。

 副校長、主幹教諭、指導教諭、栄養教諭、その他必要な職員(非常勤講師、学校栄養職員、学校医、学校用務員など)

 これらの職員を設置する判断は、教育委員会が担っています。
 最近よく耳にする「副校長」先生は、必置ではないんですね。なんとなく教頭先生と混同されてませんでしたでしょうか。

 ここでお気づきかもしれませんが、学校の教職員は、「教育に携わる職」と「教育以外の業務に携わる職」に分けることができます。
 そして、前者の「教育に携わる職」の方を「教員」と呼びます。ここで、教育基本法上は全て「教員」なのですが、学校教育法や教育公務員特例法などでは「校長」と「教員」を分けています。教育法規的には、分けるほうが一般的なようです(校長と教員を合わせて「教育公務員」と呼ぶ場合もあります)。

校長の役割

 校長は、学校という教育機関の長として、かなりの自律経営責任を負っていると言えます。
 学校教育法では37条4項において、

校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する

 と規定しています。
 この、校務をつかさどる権限を「校務掌理権」といい、この中には、

1.学校教育の管理(教育課程、生活指導など)
2.所属職員の管理(人事、評価など)
3.学校施設の管理
4.学校事務の管理

 が含まれていると言われます。
 また、所属職員を監督する権限を「所属職員監督権」といい、学校で働くすべての職員に対し、職務・行動を監視し、必要に応じて指示・命令を出すことができます。
 具体的には、

1.職務上の監督(勤務時間中における「職務専念義務」などの監督)
2.身分上の監督(勤務時間の内外を問わない「信用失墜行為の禁止」などの監督)
3.能力上の監督(心身の健康、適格性の維持などの監督)

 が含まれていると言われています。

 この「校務掌理権」と「所属職員監督権」を備えた校長先生は、まさに、名実ともに学校におけるリーダーであるわけです。

 校長の職務としては、その他に、

1.出席簿の作成、授業収支の時刻の決定、教科用図書の児童・生徒への給付など教育課程に関するもの
2.出席状況の把握、指導要録の作成と送付、卒業証書の授与など学籍関係に関するもの
3.児童生徒への懲戒など生徒指導に関するもの
4.非常変災等による臨時休業、感染症防止のための出席停止、学校安全計画の策定など学校安全に関するもの
5.勤務場所を離れての研修の許可など教職員に関するもの
6.職員会議の主宰、学校評議員の推薦など学校運営に関するもの
7.勤務時間の割り振り、年次休暇等の承認、学校施設の目的外使用の許可など教育委員会の委任・命令を受けて行うもの

 と、様々なものがあります。

教頭の役割

 教頭は、原則として必ず置かなければならない職ですが、副校長を置いたり、特別の事情がある場合は置かなくても良いとされています。
 役割としては、「校長を助け、校務を整理し、必要に応じ児童の教育をつかさどる」とされています。
 つまり、ここには3つ書かれていて、

1.校長の補佐=校長の職務全般に関して情報収集・提供をし、助言・提案を行う、校長の経営方針等を教職員に周知する、必要に応じて指導・助言等を行う
2.校務を整理=校長が所掌する業務全般について、総合的に調整する、校長と教職員とをつなぐ
3.児童の教育をつかさどる=授業を担当することも想定されている

 ということが言えると思います。

 ちなみに、校長の職務の代理・代行も教頭の重要な役割の一つです。
 代理については、例えば校長の長期の海外出張、病気療養など在職はしているが職務を執行できない場合に、校長の職務を代わりに遂行します。この場合、校長が行ったのと同一の効果が生じ、責任も校長に帰属することになります。
 代行については、例えば校長が死亡、退職、免職などで不在となり、後任が就いてない場合に、校長の職務を代わりに遂行します。この場合は、校長が行ったのと同一の効果を生じさせますが、教頭が校長と同一の権限を保持していることになり、責任は教頭に帰属することになります。

副校長の役割

 学校の経営陣として、平成19年の学校教育法の改正により副校長が新しく仲間入りしました。これは、校長のリーダーシップを発揮しやすいように、学校組織を階層構造にして組織運営の充実を図ることを狙いとしていると言われています。

 副校長は、「校長を助け、命を受けて校務をつかさどる」とされています。
 ここで、「校長の補佐」というところは教頭と同じですが、「命を受けた範囲で」という制限はあるものの、校長と同じ校務掌理権が付与されていることになります。
 なお、教頭のように「児童の教育をつかさどる」という文言は入っていませんが、授業を担当できないわけではなく、免許状を有していればその授業を担当することは可能です。

 また、代理・代行に関しては基本的に教頭と同じですが、副校長と教頭の両方を設置していた場合には、副校長のほうが優先されます。

 この、副校長という職が、近年規模の大きな自治体で普及しているようです。

 他の教職員の方々もご紹介したいのですが、長くなってしまうので次の機会へ続きます。

 メディエーション(対話促進型調停)においては、調停を始めるときに、当事者を前に調停人が挨拶をするのがセオリーになっています。
 ここで言うべきこと、言ったほうがよいこと、などいろいろありますが、趣旨としては、当事者が話し合いに臨むための準備をしてあげること、調停人と当事者の信頼関係構築の端緒とすること、手続的な説明をすること、などが挙げられます。

 この「はじめの挨拶」は、調停機関や調停人によってそれぞれ工夫をこらされていて、調停人のスタイルが反映されるところになっています。

 以下、一般的にどのような流れになるのか、私自身の例を紹介させて頂きます。
 内容については、事前に伝えなければならないことなどを整理しておく必要があるでしょう。

1.氏名の確認、自己紹介
2.今日の流れの説明、合意書作成について
3.調停人の役割、調停の目的について
4.話し合いのルール
5.別席協議(コーカス)、調停人の交代、守秘義務について
6.話し合いの始まり(申込人から)

 まず、当事者の氏名等を確認し、本人であるかどうかを確かめます。ついで、自分の自己紹介とその背景(センターの調停人であることなど)を説明します。

 次に、今日の流れ、時間や休憩のことなどについて説明し、話し合いが上手く行った結果の合意書作成についても説明します。

 さらに、調停における調停人の役割や調停の目的について、三者間で齟齬がないように確認します。ここは当事者が理解しやすいような平易な言葉を選ぶようにします。
 特に、調停は任意の話し合いであるということ、相互理解が肝要であるということ、前向き・建設的に考える良いチャンスであるということ、調停人は話の進行役であり判断をする役割は担わないということ、調停人からの法的アドバイスはしないので必要があればご自身で専門家に相談されること、決断は自分でし、決断には文明人として責任を負うこと、などを私の場合は伝えるようにしています。

 また、話し合いのルールについても重要です。私の場合は、分かりやすいように事前に3つだけ約束をしていただくようにしています。これは、話し合いを進める上で、大切な事柄なので、ご自身で調停のスタイル等を考慮の上、決められたほうが良いと思います。

 最後に、別席協議(「コーカス」と呼ばれますが、私は使わないようにしています。)、調停人の交代、守秘義務についても忘れずに説明する必要があるかと思います。
 この辺は、所属のセンター等によってルールが異なってくるのではないでしょうか。

 以上が、一通りの流れになりますが、これを終えると、話し合いが始まりますので、通常は申込人から事情を伺うことになります。
 よく言われますが、当然のように申込人から事情を聴くと、ただでさえ呼ばれた相手側の方は不信感を懐きやすいので、調停人への信頼を損なわないためにも、一言「申し込まれた方から先にお話を伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか」と相手側の方にお声をかけられたほうが良いかと思います。もちろん、当事者双方から十分にお話を伺います、ということは予めきちんとお伝えください。

 おおまかな紹介になりましたが、参考にされると幸いです。

 本日は、日本海事代理士会関東支部の研修に、午後から参加してまいりました。

 午前中は子どもの学校行事で出られませんでしたが、午後の船舶登記とSOLAS条約の講義には間に合い、受講することができました。

 船舶は、もちろん動産なのですが、登記の制度があって法律上は不動産に似た扱いをする側面があります。
 登記は私法上の権利関係を公示するのが目的なのですが、船舶の場合、行政上の管理監督を目的とする「登録」の制度もあるので、慣れないと混同しがちです。

 不動産の手続きをされたことがある方はご存知だと思いますが、登記をする場合、その登記の内容や不動産の価額によって登録免許税を払わなければなりません。
 この登録免許税額を確定するために、不動産であれば、固定資産評価証明書などを取得して課税価格を確認し、算出するのが通常です。

 船舶登記の場合も、やはり船舶の価額から登録免許税額を確定させるわけですが、これが慣れないとなかなか難しいのです。

 ズバリ、船舶価額の算式は、

[(総トン数×トン当たり船価)×特殊船増価率]×船価残存率×(1-特殊船減価率)×持分割合

 です([ ]内について限度額あり)。

 で、これに登録免許税率(例えば所有権移転なら28/1000)を乗じたものが登録免許税額になります。

 どうでしょうか。結構複雑ではないでしょうか。
 さすがに何度もやってるので(しかもそれなりに注意も払っているので)間違えることは無いと思いますが、仕事を依頼して頂く前に、お見積りをする段階でコレを計算する必要があるので、ちょっとした作業をしなければなりません。
 最初に学んだときはなかなか難しく感じました。

 お気づきのように、総トン数の情報が必要になりますし、昭和50年の法務省の通達を元に船舶の価額の算出表や船価残存率表を引っ張ってきて、そこでまた製造年月や経過年数、船質、用途などから値を確定する必要があります。

 と、いうわけで、船舶登記のご用命は、少なくとも登録免許税の計算のできる海事代理士に依頼されたほうが良いですよ!

 学習指導要領ってご存知でしょうか。
 まぁ名前だけは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
 コレはいったいなんだろう、というのが今日のお話です。

 まず、「学習指導要領って何?」というところからですが、
 ズバリこれは「告示」です。

 そもそも、例えば小学校の場合、学校教育法29条に「目的」、30条、21条各号に「目標」が定められている、というお話は以前書いたと思います。
 そして、33条で、「小学校の教育課程に関する事項は、第29条及び第30条の規定に従い、文部科学大臣が定める。」としています。
 ここまでが法律です。
 それを受けて、文部科学大臣が学校教育法施行規則を制定し、その52条で、「小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。」としています。
 ここで初めて小学校の学習指導要領が出てきます。

 で、いわゆる国家行政組織法14条1項にいう「告示」として、文部科学大臣が学習指導要領を公示しているわけです。
 こういう話のことを、「法的根拠」といいます。

 では、本題の、学校の先生は学習指導要領に従わなければいけないのか、という話ですが、これは「学習指導要領に法的拘束力が認められるか」という論点になります。つまり、認められるなら従う義務がありますし、認められないなら従う義務がない(まぁ努力義務とかありますが割愛)ことになるわけです。

 結論から言うと、争われています。つまり、肯定派と否定派がいるわけです。当然といえば当然ですが・・・。

 否定派は例えば、学習指導要領自体が憲法に違反しているから当然に法的拘束力は認められない、という説(指導助言文書説)です。
 肯定派は、教育内容について適正・中立、均等化・一定水準の必要性、などから国の設定権限を認める、という見解です。

 では、実際にどうなっているのか、という話ですが、判例は、否定説の中の「大綱基準説」と採っていると考えられています。
 すなわち、学校教育法の規定から文部科学大臣は、地方自治を侵害せず教育課程編成権を不当に支配しないように大綱的な基準を定められるのであって、(一応権限は認めるが)現行の学習指導要領は細かすぎる、という立場です。

 これだけ聞くと「否定説なら法的拘束力がないから守らなくていいんだ~」となりそうですが、そういうわけではなく、法的拘束力自体は認め(必要かつ相当と認められる範囲内において、教育内容についてもこれを決定する権限を有する)、指導要領自体も「全体としてみた場合」「少なくとも法的見地からは」「必要かつ合理的な基準の設定として是認することができる」としています。これは、逆に言うと、内容によっては法的拘束力を持たないこともありうることを示していると言われています。

 結局、学説によって意見がわかれている、というのが現状で、裁判所もクッキリハッキリとは示していないようです。
 皆さんはどう考えられますでしょうか。
 ちょうど道徳についてパブコメが募集されているので、送ってみるのもいいかもしれませんね。

ご利用上の注意
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プロフィール
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職業:
行政書士・海事代理士
自己紹介:
行政書士・海事代理士 光永 謙太郎(みつなが けんたろう)

光永行政書士・海事代理士事務所Office.MITSUNAGA)所長
(略歴等に関してはホームページを御参照下さい)

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東京都豊島区南池袋で法務・経営コンサルティング(+行政書士・海事代理士)を行っております。
行政書士・海事代理士の取り扱い業務は下記のとおりですが、比較的多いのは建設業、倉庫業、漁業関係、運送業、遺言・相続、ペット(愛護動物)関係手続きです。
各種許認可取得のほか、契約書のリーガルチェックや社内規則などの作成を含む会社法務全般と、Webマーケティング、経営マネジメント、リーダー養成研修、が得意分野です。
法務・経営コンサルのため、顧問契約で継続的にご契約頂くことが多くなっていますが、もちろん単発のお仕事も承ります。
人付き合いを大切に、一件一件誠意をもって対応させて頂くのがポリシーです(そのため、価格設定は若干高めです)。

最近は、メディエーション(同席調停)にはまっています。
東京都行政書士会の運営する「行政書士ADRセンター東京」で次長、調停人(メディエーター)を務めており、メディエーション・トレーニング(研修運営を含む)に力を入れています。
役職としては、そのほかに、日本行政書士会連合会裁判外紛争解決機関推進本部員、東京都行政書士会理事、東京都行政書士会豊島支部副支部長などを務めています。

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